自分が箔を多く使う作家ですが、箔を使うきっかけはお寺での参拝がきっかけでした。
大学3年生の時に古美術研究旅行なるものがあり、2週間奈良の寮に滞在し寺院に置かれている古美術品を参拝しながら観覧するといったものでした。1日に3〜4箇所のお寺や神社や美術館を見て回っていました。
そんな中で箔をふんだんに使われてる障壁画や仏像。なぜなのだろうか?と参拝しながら見ていましたが、先生が
「屋内は灯りがない。日本は庭の池や玉砂利からの反射を利用して屋内に光を取り込んでいるんだ。薄暗い屋内の中に、少しの光で反射する箔は神々しくみえるんだよ。」
という話を聞いてから、『箔を使うことは屋内空間を支配できるのか!』と思いました。
それから箔を使うようになりました。
展示空間ではスポットライトがあたり常に作品自体が輝いて見えますが、家だと光の移り変わりがあります。制作して部屋に置いてある作品が、光の状況で様々な表情をするのは作者としても面白い。「あら、なんて神秘的なのかしら?」なんて、夜に箔が光る作品を見て思ってます。
ただ写真だと伝わらないので、生で見て頂きた
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